時間は有限で、タイムリミットがこちらを見つめている。それはいつか訪れる。
有限だってことは分かっているのに、データの整理をしてしまっていた。部屋が汚いとやることが手につかないかのように。私は同じ電子空間に6年も身を置いていて、重ならないように色々なものを消しているけれど、勿論限界はあって、データの重なり、趣味趣向の堆積を眺めていた。
これが好きだったな、これは面白かったな、そんな過去の感情がふんわりと漂って、穏やかなような、不安なようなそんな気持ちになって、あの頃みたいに何かにハマれることってもうないんじゃないかっていうぼんやりとした不安が大きくなっていく。
そんなこと不安にならなくたって、きっと私は何かを好いていく、それを恐れなくてもいいのに、どうしても良かったと思える頃を愛おしんでしまう。 私はどちらかというと飽き性で、コロコロと移ろっていく。だからこそ、ぐっとハマった何かを、ハマれた自分を愛おしく思ってしまうのだろうな。
過去の怪物を殺しきれそうにない、怪物なんて恐ろしいものかは分からないけど。先とか後とか、本当は今なんてものはないから、どうしたって前後が気になってしまうのだね。生きるとは変わること、あの歌詞を思い出す。それはそうなんだろうな、本当に良い意味で変わらずに生きていくことは難しくて、私にはできそうにない。
大人になりたいのか子供のままでいたいのか良く分からない。いつだって自分のこと、きちんと分かってあげられない。人のことはもっと分かれないのだけど。
言葉は空っぽのように思われて、ひどく軽い音が鳴るような気持ちになる。
全部、きっと、大丈夫。