静電気

また5月がきたよ

旅行における、

 

旅行に行ってきた。先週の今頃には、あっちに行っていて、でも今は家で、大して上手くもない文章を綴っている。

 

3泊4日、というのは長いようで、あっという間である。あっという間だった、というと、それだけ楽しかったのだね、と返ってきて、ああ、そうだったのか、と思う。勿論、楽しかったのだけれど、楽しかったから早かったのか、などと今更思う。楽しい旅行だった。

もっと長く居られたら、帰り際、悲しくないのだろうか、と思うのだが、きっと、もっと悲しくなるのであろうな、と思う。これだけの長さをあちらに居られるのは、学生だけの特権的で、気分が良い。でも、それもあと少しのはず。

帰り際に毎度泣いてしまう、いつか泣かなくなってしまうのだろうか。良いようで、良くないようで。泣いてしまうのは恥ずかしい、きちんとお礼を言えるようになったのは、成長です。

 

どれがいちばんだったか、というのは、とても難しい。一緒に居られたら、大抵が楽しいので、甲乙つけがたい。思考停止だろうか、そんなことはないと思う。

人とやっていくことは、やっぱり、怖い。うまくいかないのではないかと、思ってしまう。でも、みんな、良いひとで、何かあるなら、私が良くなくて、そんなこと考えても仕方がない。でも、やっぱり、楽しかった。

 

音楽が、そこにはあった。

こんなことを言うのは、本当に良くないけれど、どこかで、疑っていた。私は、おべっかを言う必要があることになるんじゃないか、と。照れくさい気持ちになって、そういうことになるんじゃないかと、どこかで、恐れていた。 

でも、きちんと、音楽がそこにあって、泣いてしまいそうになった。きちんと、作られた、それらがあって、私は、良かった、と本当に思えた。本物だと、私は、そう思えた。

遠くて、私には、手が届かないと思った。ちゃんと、あなたたちは、何かを表現していると、苦しくなった。ちゃんと何かが、あるよ、と誰にも言えないけれど、そう、思った。 

 

都会のリズムは私には少し早い。鈍いと言われても仕方がない、と思う。そこでぐいっと力強く、いくのが怖い。でも止まっているのも、邪魔だ、都会のマナー。

もしここで、生活するようになったら、私はここのリズムに、マナーに、適応していくのだろうか。田舎である地元に戻ると、ここのリズムが恋しくなるんだろうか。分からない、人は、適応していく、変化していくから。

一人きりの自家用車のなか、誰も居ない、私だけの守られた世界は、とても居心地が良い。

 

旅行のこと、いつか忘れてしまう、甘い記憶のことを、いつか消えてしまうかもしれないここに綴るのは、間違っているようで、正しい。それに、いつか忘れるなんて、悲しいことは言わないでほしい。ずっと覚えていたい。