静電気

また5月がきたよ

 

誰かの特別になりたい。

特別な私にはなれそうにないし、誰かの特別になりたかった。

どこまで言っても誰かの代替品だ、私は誰かだけのになりたいのに。

 

一生叶わないのだろう、どこで間違えてしまったんだろう。本当は間違ってなんてないのかもしれないけれど、どうしたって間違ってしまったような気持ちになってしまう。

私が変わればいいんだろうか、好いてもらえるように。

変身、変心。身も心も変えてしまえば、私のことを好いてくれますか。嘘、本当はそんなことはしたくない、ちっとも。

 

偽物でいるくらいなら、と何もかもを拒絶できる馬鹿さが、強さを私が持っていればよかったんだろうか。代替品でいるくらいなら、と言えたら、良かったのだろうか。

そんなことを考えたとしても、私は代替品であることを選んでしまう。誰も居ないよりは良い、そうどこかで思っているから。それなのに、誰かの特別になりたいだなんて、なんて浅ましいんでしょう!

 

私が相手を好きなくらい、相手も私を好いてくれたりしない。

恋人が満たしてくれる、すべてを。どちらかで良いじゃないか、そう思うけれどそれはやっぱり別物でしかない。

どうしてこんなに我儘なんだろう。でも若者は友人の方が大事らしい、流行りだ、私も流行りに乗っているのかもしれない。

一人以外への関心なんて、すべてなくなってしまえば良いのに。

 

べとべととした醜い思いで歪んでいく。こんな醜さから早く脱却したい。